そうわ通心 7月号 税理士試験について お話しします。

毎年8月は税理士試験の季節です。

今回は、受験生でないとあまり知る機会のない税理士試験について、ご紹介いたします。

科目数と合格率

試験科目は、会計2科目と税法9科目の合計11科目です。(内訳は下表に記載)
このうち会計2科目は必須です。税法については9科目の内3科目の合格が必要です。ですが、9科目のうちに選択必修科目があるため、何でもいいから3科目合格すれば良いという訳ではありません。例えば、税法科目の内、法人税法と所得税法のどちらか1科目には合格する必要があります。
合格率は、平成28年度実績で、どの科目も概ね15%前後です。ちなみに、同年の試験科目で合格率が一番高かったのは、会計科目「財務諸表論」の15.3%、一番低かったのは、税法科目「国税徴収法」の11.5%でした。

試験期間と合格発表

例年、8月の第2火曜日から3日間かけて試験が実施されます。社会保険労務士や中小企業診断士と違い、平日に試験が実施されます。試験結果は12月中旬の金曜日(平成29年は12月15日)に郵送で通知されます。必要な科目全てに合格した場合は、官報にて受験番号と氏名が公表されます。
年に2回受験できる日商簿記1級や公認会計士の短答式と違い、税理士試験が受験できるのは年1回ですが、日商簿記1級と違い、すべての科目に一度に合格する必要はありません。また、公認会計士と違い、一定期間内にすべての科目に合格する必要もありません。科目合格制度が採られているため、相続税の案件を強化したい会計事務所では、採用の際、応募の条件として、「相続税法の合格者又は受験経験者であること」を挙げるなど、受験科目と採用とがリンクする場合があります。

秘密主義

税理士試験の特徴の1つとして、模範解答、採点基準が一切公表されないという点が挙げられます。合否通知には、不合格の場合「不合格A」などの記号が付され、合格した場合には、「合格29」のように合格の2文字と受験年度の数字のみが表示されます。
不合格Aは、合格点数である60点に1~10点届いていないということを意味しているため、結果通知を見ても、自分が何点を取ったのかはわかりません。
受験案内には60点(満点の60%)の点数が合格基準と記載されていますが、解答のどの箇所に何点が配点されているのかは、予想するしかありません。実際には合格率が15%程度になるように採点基準の調整がされていると言われています。もちろん、税理士試験のこのような秘密主義を問題視する意見も出ています。

 

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