そうわ通心 10月号

折に触れ学ぶ

 9月に入り、暑さも和らいできました。振り返ってみると、今年は幸いにして例年ほど暑い夏ではなかったような気がしています。まとまった夏休みも取っていませんし、あまり出かけることもできないので、毎日がちょっと物足りない気がしています。せめてと思ってたまにお酒を飲むこともあるのですが、体が慣れていないせいかすぐに酔ってしまい、ものすごい睡魔に襲われてしまいます。この状況下では仕方ないですが、来年こそ「普通の夏」が戻ってくるといいですね。

 以前に比べ、セミナーを受講する機会が増えました。パソコンで受講することが一般的になってきたことで、以前より手軽に参加できるようになったと感じます。開業して以来、様々なセミナーや講座に参加してきました。職業に直接関係あるものもあれば、集客や営業、人間関係、自己啓発、目標達成、占いじみた怪しげなものまで(笑)、様々なことに触れて、取り組んできました。個々に見てみると犠牲にした家族との時間や金額に見合ったものが得られたのか、疑問がないわけではありません。そういったことを含めて学びだと思うようにしています。本当に良いものにも出会えましたし、人生に大きく影響を与えてくれたものもたくさんあります。できるだけ食わず嫌いをせずに触れてみることも大切ではないかと感じています。

 自分が社会や身近な人に対して何ができたのか、どれだけ喜んでもらえたのか、どれだけ幸せを与えられたのか。それが自分なりの幸せの定義だと思っています。まだまだできていないこともたくさんありますし、後悔していることもたくさんあります。様々なことに触れ、もっと探求していきたいと考えています。

今月もどうぞよろしくお願いいたします。

代表社員 益本 正藏

どう保存すればいい?電子取引の保存法

 来年1月から変わる、電子メール経由で収受した請求書等のデータ保存のしかたについて、国税庁から公表されている資料※を参考に確認します。

電子取引とは

1、書類の保存義務

 所得税法および法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しの保存義務が定められています。

2、電子取引とは

 電子取引とは、上記①と同様の取引情報(書類に通常記載される日付、取引先、金額等の情報)の授受を電磁的方式により行う取引をいいます。具体的には下図の他、次のデータの授受も電子取引に該当します。

  • インターネットのホームページからダウンロードした請求書等のデータ
  • クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ
  • EDIシステムを利用したデータ
  • ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用したデータ
  • DVD等の記録媒体を介した請求書等のデータ

 ①の保存義務者がこの電子取引を行った場合には、その取引情報を電磁的記録により保存しなければなりません。これまでは、書面に印字して保存する方法も認められていましたが、来年1月1日以後に行う電子取引の取引情報から認められず、必ず次ページ③の要件を満たしたデータ保存が求められます。

3、電磁的記録の保存等を行う場合の要件

 電子取引の取引情報を電磁的記録により保存等するに当たっては、真実性や可視性を確保するための要件を満たす必要があります。具体的には以下の要件となります。

電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け(自社開発のプログラムを使用する場合限定)
見読可能装置の備付け等
検索機能の確保
次のいずれかの措置を行う

  1. タイムスタンプが付された後の授受
  2. 原則、速やかにタイムスタンプを付す
  3. データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステムまたは訂正削除ができないシステムを利用
  4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け

 国税庁の資料※より、要件を満たすための具体的な保存方法の一例をご紹介します。

妻と2人で事業を営んでいる個人事業主です。取引の相手方から電子メールにPDFの請求書が添付されて送付されてきました。一般的なパソコンを使用しており、プリンタも持っていますが特別な請求書等保存ソフトは使用していません。どのように保存しておけばよいですか。

回答

例えば、以下のような方法で保存すれば要件を満たしていることとなります。

  1. 請求書データ(PDF)のファイル名に、規則性をもって内容を表示する例)2022年(令和4年)10月31日に株式会社国税商事から受領した110,000円の請求書⇒「20221031_㈱国税商事_110,000」
  2. 「取引の相手先」や「各月」など任意のフォルダに格納して保存する
  3. 一定の事務処理規定を作成し備え付ける
  • 税務調査の際に、税務職員からダウンロードの求めがあった場合には、上記のデータを提出すること
  • 判定機関に係る基準期間の売上高が1,000万円以下であり、場合には、上記1の設定は不要
  • 上記1の代わりに索引簿を作成し、索引簿を使用してデータを検索する方法によることも可能

 なお、事務処理規定や索引簿は、国税庁のサイトからひな型をダウンロードすることができます。

データ保存の際の留意点

  電子取引の例(イメージ)におけるデータ保存に関しては、以下の点に留意します。

取引先A社利用のクラウドサービスを用いた請求書等の授受

 訂正削除の記録が残るシステムまたは訂正削除ができないシステムが具備されたクラウドサービスを利用していれば問題ありませんが、例えばクラウド上で一時的に保存されたデータをダウンロードして保存するようなシステムの場合には、下記②と同様の点に留意する必要があります。

取引先B社からの電子メールによる請求書等の授受

  データは、例示の他、ハードディスク、コンパクトディスク、DVD、磁気テープ、クラウド(ストレージ)サービス等に記録・保存します。この場合、当該データに一定のタイムスタンプが付与されていないときは受領者側でタイムスタンプを付与するか、一定の事務処理規定に基づく適切なデータ管理が求められます。また、対象となるデータは、原則、検索可能な状態での保存が求められる点にもご留意ください。ない、添付ファイルによる電子メールでの授受は、当該添付ファイルのみの保存で問題ありせん。

参考:国税庁HP「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」  https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf ほか

10月のトピックスをまとめました

─ 給与等、社会保険関係の変更の多い時期になります ─

01定時決定の反映と新しい保険料率による控除

 定時決定により、9月からは新たに改定された社会保険料が適用されますが、従業員からの社会保険料の控除を翌月に行っている場合、10月から控除することになります。

02各都道府県で地域別最低賃金額が変わります

 10月より地域別最低賃金額が変わります。各都道府県によって適用となる月日が異なっていますので、金額および発効年月日を確認しておきましょう。

03健康保険の被扶養者の資格確認調査

 年に1度、健康保険の被扶養者が要件を正しく満たしているか、事業所に対して一斉調査が行われます。時期や調査方法は保険者によって異なりますが、中業企業の多くが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)では10月から11月にこの調査が行われます。協会けんぽから送られる被扶養者状況リストをもとに、被扶養者の収入等の状況を確認するようにしましょう。

編集コラム

 あれよあれよと9月になってしまいました。時間の流れが恐ろしく早く感じます…。

 コロナワクチンとは別軸で、子供たちの予防接種も並行して進めているのですが、たった2歳差でも医療の常識が変わっているのか、「お兄ちゃんの時はこうだったのに」が通用しない局面がちらほらあり、妻から聞いてびっくりすることがあります。
  教育の面でも知識を都度バージョンアップしていく必要性を感じさせられています。

うまく情報収集できるような方法を模索せざるを得ません。やはり定期的に本を読むのが一番でしょうか…活字アレルギーとか言っていられないですね。

事業部 小山 慧

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